パブコメ提出しました(制度設計WG/次世代の電力システム構築へ向けて)
グリーンピープルズパワー株式会社は、政府の意見募集(パブコメ)について意見を提出しました。
案件番号:620225018
総合資源エネルギー調査会 電力・ガス事業分科会 次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 「電力システム改革の検証を踏まえた制度設計WG とりまとめ(案)」、「次世代の電力システム構築へ向けて 〜中間整理の概要〜 (案)」及び「次世代の電力システム構築へ向けて 〜中間整理〜(案)」に対する意見募集について
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=620225018
パブコメ期間:2025年12月25日17時30分~2026年1月28日17時30分
提出日:2026年1月28日11時28分
提出意見:
電力システム改革の検証を踏まえた取りまとめと、次世代電力システム構築の中間整理について、小売電気事後湯者の立場から、大きな危惧も感じるため意見を出します。
1、地球温暖化対策として再エネを選べる選択肢の欠如
電力自由化の目的は「安定供給、電気料金を下げる、多様な選択肢の確保」の3つです。まず、この中に脱炭素の視点、地球温暖化を防止するという視点が加わるべきだと思います。現状では消費者は再エネ電気を電力プランによって選ぶことができます。ただ、そのほとんどは非化石証書によるバーチャルな再エネです。再エネそのものが増えていかないと、再エネを供給するプランは増えてはいかないのです。
化石火力を大量に温存しながら、非化石証書のみで再エネ比率を増やすことには限界があります。再エネの供給力そのものを上げないと、GX等が掲げる目標は果たせません。その意味では、再エネをどう増やすかが電力システム改革のカギでもあると思います。いかに早く化石燃料を再エネに置き換えるかというプログラムが、現状の電力システム改革議論には欠落しているのです。
例えば、再エネの系統接続を最優先とすべきです。ノンファーム接続は一時的なものにすぎません。最初はノンファームだが、化石燃料発電の廃止とともに、正式なファーム接続にし、化石火力は今後10年間(2036年まで)で調整電源として使えるもののみを残し、建設から10年以上のものは廃止するというような、大胆な方針が必要かと思います。
そして再エネを選べる再エネ市場が、スポット市場、中長期市場、容量市場等においても作られることが必要かと思います。
2、「電力システム改革の検証を踏まえた制度設計WG とりまとめ(案)についての検証」の問題点
この検証は8つの項目と1つの追加項目に分類されています。
(1)のマル1は「燃料確保」です。地球温暖化が深刻になる中、化石燃料をさらに使うという前提での議論が行われています。この背景には、日本の電力システム改革に「脱炭素」視点が欠落していることがあります。
<追加された「供給力確保に向けた方策」>とは、発電所づくりの「新融資制度」のことです。これは電力需給安定化の司令塔であるべきOCCTO(電力広域的運用推進機関)が金貸しになるというものです。巨大すぎて?金融機関からお金が借りられない発電所にOCCTOが融資する制度ですが、金融機関がお金を貸せないような危ない案件に、消費者から託送料金として集めたお金を流し込んで良いのでしょうか。この徴収役を新電力に行わせるのはやめていただきたい。
(2)で括られているマル2からマル3は送電網(系統)整備です。これは必要なことですが、その資金の捻出の仕方が、単純に消費者肩代わりになっています。再エネの普及拡大をスピードアップするには送電網の増強は不可欠です。地球温暖化対策の観点では、ここは税金を投入してでも進めるべき政策課題です。
(3)で括られているのは、新市場の創設です。「安定的な価格での供給に向けた環境整備」と書かれていますが、これでは電力価格は高騰するのではないかと思われます。マル5の「小売電気事業者のkWh確保義務」は、大量の発電所を保有する大手電力と、発電所を保有しない小さな新電力を同じ「確保義務」で縛ろうとしています。5億kWh以上の新電力は7割、それ未満の新電力は5割のkWh確保を前年までに求められますが、発電所を持たない新電力は、持てる大手電力に来年、再来年の電気供給を分けてもらわないといけません。大手電力は自分でも使わないといけません。
現状の新電力の規模は3割程度かもしれませんが、電力システム改革は大手電力の独占状態の解消も目指しているはずです。大手電力が8割の発電所を保有したまま、しかも新電力はその電気を分けてもらうことが義務付けられて、新電力はシェアを伸ばせるのでしょうか?新電力がシェアを伸ばそうとすると、結果として少ない電気の奪い合いとなり、価格は高騰するのではないでしょうか。
この検証では、電気のスポット市場は軽視されており、現在のような市場価格の変動を利用してメリットを出す「市場連動型メニュー」などは提供困難になります。多様な選択肢も狭まるということです。
マル6の中長期市場は大手電力が新電力に、保有する発電所の電気を分けてやる制度です。分ける義務づけが10%となっていますが、新電力シェアは30%です。足りないのではないでしょうか?中長期市場が「取り合い」で高騰し、その後にスポット市場価格が安くなると、新電力は損をするということになるのではないでしょうか?
マル7の「経過措置」とはいまだに残っている大手電力の規制料金のことです。2020年に廃止のはずだったのですが、この検討結果では「そのエリアで大手電力に対抗できる新電力が現れ、エリア内で2社が競争するという状況になったら」規制料金を廃止するとの「新見解」が示されています。これは、永遠に規制料金は廃止しないという宣言かと思います。規制料金が安いために(いまだ6割以上のシェア)、大手電力以外の新電力はそのシェアを奪えないのです。これは大手優遇制度ではないでしょうか?
マル8は「電源・系統への投資に対するファイナンス」となっています。これと<追加された「供給力確保に向けた方策」>との違いが不明確です。ここでも電源への投資ファイナンスが検討されているのに、またそれとは別に「電源」単独での融資スキームが作られようとしています。国民にわかりやすくするには一本化するべきかと思います。そして冒頭に書きましたように、今再エネを伸ばすことが重要で、そのために最重要なのは系統の強化です。
以上、新電力(小売電気事業者)の立場からの意見として出させていただきます。
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